胸やけ、胃もたれ、胃の痛みなど、胃の不調にはさまざまなものがありますが、これらの症状の多くに関与しているのが「胃酸」です。
胃酸は、食べたものを消化するために欠かせない存在である一方、過剰に分泌されたり、食道へ逆流したりすることで、さまざまな胃の不調の原因となります。
だからこそ、胃の不調を緩和するうえで重要になるのが、「胃酸を抑える」というアプローチです。
しかし、「胃酸を抑える薬」にはいくつかの種類があり、胃酸の分泌そのものを抑えるタイプもあれば、すでに分泌された胃酸を中和するタイプもあるなど、それぞれ作用の仕方が異なります。
そこでこの記事では、胃酸を抑える(もしくは中和する)薬の中でも、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、H2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)、制酸薬という3つのタイプの違いをわかりやすく解説します。
PPIは胃酸が分泌される最終段階である「プロトンポンプ」に直接はたらきかけることで、胃酸の分泌を元から抑えることができる薬です。
長らく医療用医薬品として用いられてきましたが、現在は市販薬としても購入できるようになり、胃酸が関係する胃の不調に対する新たな選択肢となっていますので、市販のPPIである「タケプロンs」の効果や特徴についても詳しくご紹介します。
胃酸を抑える薬を探している、作用の違いを理解したうえで自分にあった胃薬を選びたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
胃酸のはたらきと胃を守るしくみ
胃酸とは、胃の中で分泌される酸のことです。
食べたものを消化するだけでなく、食べ物と一緒に入り込んだ細菌などを殺菌する役割も担っており、私たちの身体にとって欠かせない存在といえます。
しかし、胃酸はタンパク質を溶かしてしまうほどの強い「酸」ですので、そのままでは、胃の粘膜そのものまで傷つけてしまう可能性があります。
そこで胃は、胃酸と同時に「粘液」を分泌することで、自分自身の粘膜を守っています。
つまり胃は、胃酸という「攻める力」と、粘液という「守る力」のバランスを保つことで、正常にはたらいているのです。
そのため、胃酸が出すぎて粘液による防御が追いつかなくなるなど、攻めと守りのバランスが崩れると、胃の粘膜がダメージを受け、胃の痛みや胃もたれといった、さまざまな症状につながると考えられます。
攻めと守りのバランスが崩れると胃の不調につながる
暴飲暴食、刺激の強い飲食物などをきっかけに胃酸が出すぎてしまうと、粘液による防御が追いつかなくなり、胃酸と粘液のバランスが崩れやすくなります。
その結果、胃の粘膜に炎症が起き、胃の痛みや胃もたれなどの症状に繋がってしまう可能性もあります。
「緊張すると胃が痛くなる」という経験がある方も多いように、特にストレスは、胃や十二指腸のはたらきをコントロールしている自律神経を乱し、胃酸による胃の不快な症状を招く要因のひとつとして知られています。
胃酸の食道への逆流に注意
胃酸の影響は胃だけにとどまらず、逆流によって、食道への影響があらわれる場合もあります。
胃には粘液という防御のしくみが備わっていますが、食べたものを胃へと運ぶ通り道である食道には、胃のような防御のしくみがありません。
そのため、胃酸が食道へ逆流すると、食道の粘膜がダメージを受け、胸やけやみぞおちの痛みといった症状が出現する可能性があります。
胃の不調には「胃酸を抑える」ことが重要な理由
ここまで見てきたように、胸やけ、胃もたれ、胃痛といった胃の不調の多くには、胃酸が関わっています。
そのため、すでに症状が出ている場合には、胃酸そのものにはたらきかける薬を活用することが、有効な対処法のひとつとなります。
とはいえ、「胃酸を抑える薬」にはさまざまなタイプのものがありますので、それぞれの特徴を理解して、自分に合った薬を選ぶことが大切です。
胃酸を抑える薬の種類
胃酸を抑える薬は、大きく分けると「胃酸の分泌そのものを抑えるタイプ(胃酸分泌抑制薬)」と「すでに分泌された胃酸を中和するタイプ(制酸薬)」に分類できます。
このうち、特に重要になるのが、「胃酸の分泌そのものを抑えるタイプ」です。
すでに出てしまった胃酸を中和するのではなく、胃酸が出る量自体を減らすことで、胃や食道の粘膜が受ける刺激を軽減することができます。
そして、この「胃酸の分泌を抑えるタイプ」の中にも、「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」と「H2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)」などがあり、特徴が異なります。
これら胃薬の作用の違いを知るためには、胃酸が分泌される仕組みを理解しておくことが大切です。
胃酸が分泌されるしくみ
胃酸は、胃の壁細胞にある「プロトンポンプ」と呼ばれる部分から分泌されています。
そして、この胃酸の分泌には、主にヒスタミン、ガストリン、アセチルコリンという3つの物質が関与しています。
これらの物質が壁細胞に指令を送り、その指令を受けたプロトンポンプが、最終的に胃酸を胃の中へと送り出すという流れです。
ヒスタミン、ガストリン、アセチルコリンといった、複数の入口から指令が入り、最後にひとつの出口から胃酸が出ていくというイメージになります。
この「指令のルート」と「最終の出口」、そして「出てきた胃酸そのもの」のどこにはたらきかけるかによって、薬のタイプが分かれます。
H2ブロッカー(H2受容体拮抗薬)の特徴
H2ブロッカーは、胃酸の分泌に関わる3つの物質のうち、ヒスタミンの結合先であるヒスタミンH2受容体をブロックすることで、胃酸の分泌を抑えるタイプの薬です。
つまり、複数ある「指令の入口のうちのひとつを塞ぐ」という作用になります。
胃酸の分泌を抑えるはたらきによって胃粘膜を保護し、胃酸が原因で生じる炎症や胃の不調を改善する効果が期待できます。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)の特徴
プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、胃酸を分泌する最終段階である「プロトンポンプ」に直接作用し、胃酸の分泌を元から抑えるタイプの薬です。
入口ではなく、胃酸が出ていく「最終の出口」そのものにはたらきかけるため、どの物質からの指令であっても、胃酸の分泌を抑えることができます。
このような作用メカニズムから、「PPIは胃酸の元栓を閉める」と例えられることもあります。
胃酸の過剰分泌でお悩みの方は、胃酸の出口を直接ブロックすることができるPPIを検討してみると良いでしょう。
制酸薬の特徴
制酸薬(せいさんやく)は、胃酸の分泌そのものを抑える薬ではありません。
アルカリ性の薬剤を使用することで、強い酸性の成分である胃酸を中和して、胃酸を原因とする胃の不調を改善するといったタイプの薬です。
そのため、胃酸の分泌そのものを抑えたいという場合には、胃酸分泌抑制薬(PPIやH2ブロッカー)が選択肢となります。
胃酸にアプローチする3つの胃薬の違いまとめ
胃酸にアプローチする3つの胃薬の違いを整理すると、以下のようになります。
- 制酸薬:すでに分泌された胃酸を中和する(出た胃酸に対処する)
- H2ブロッカー:胃酸分泌に関わる3つの物質のうち、ヒスタミンの結合先であるヒスタミンH2受容体をブロックして、胃酸の分泌を抑える(指令の入口のひとつを塞ぐ)
- プロトンポンプ阻害薬(PPI):胃酸分泌の最終段階であるプロトンポンプに直接はたらきかけ、胃酸の分泌を元から抑える(最終の出口を閉める)
このように、「胃酸にアプローチする胃薬」であっても、その作用やはたらきはまったく異なります。
また、剤形(錠剤・口腔内崩壊錠〈OD錠〉・細粒など)によって、服用しやすさや使用感などに違いがある場合がありますので、服用のしやすさなども、胃薬を選ぶうえでの大切なポイントのひとつといえます。
PPI(プロトンポンプ阻害薬)はドラッグストアでも買える?
これまで、胃もたれや胸やけ、胃痛に対する胃酸分泌を抑える成分を含む市販薬としては、H2ブロッカーが一般的な選択肢とされてきました。
しかし現在では、PPIも市販薬(OTC医薬品)として購入することが可能となっています。
PPIは、2025年に「ランソプラゾール」、「オメプラゾール」、「ラベプラゾール」の3成分が医療用医薬品から一般用医薬品にスイッチ(スイッチOTC化※)されており、以前までは医師の処方によってのみ使用可能であった「ランソプラゾール」が、「タケプロンs」として、市販薬でも使用できるようになりました。
これまでは医療機関を受診しなければ選べなかったタイプの胃薬であるPPIも、市販薬として購入可能となっていますので、胃もたれなどの症状を緩和したいという方は、用法用量や使用上の注意を守って「タケプロンs」を正しくご使用下さい。
胃酸を抑える市販の胃薬をお探しの方は、市販のPPIである「タケプロンs」を検討してみると良いでしょう。
なお、タケプロンsは「要指導医薬品」に分類されるため、購入の際には薬剤師による情報提供と指導を受ける必要があります。
チェックシートを用いて、服用しても問題ない状態かどうかを薬剤師と一緒に確認したうえで購入する流れとなりますので、薬剤師がいる店舗で購入することになります。
※スイッチOTC化:病院で処方される医療用医薬品のうち、副作用が少なく安全性の高いものを市販薬(OTC医薬品)に転用(スイッチ)すること
胃酸を抑える市販薬「タケプロンs(ランソプラゾール)」の特徴
タケプロンsは、胃酸逆流などによる胸やけ、胃もたれ(もたれ)、胃の痛みに効果が期待できる、市販のプロトンポンプ阻害薬(PPI)です。
タケプロンsは、医療用(処方薬)と同じ成分であるランソプラゾールが配合された胃薬であり、胃酸が出る最終段階の「プロトンポンプ」に直接はたらきかけることで、胃酸の分泌を強力に抑えるという特徴があります。
また、タケプロンsは水なしでのめる口腔内崩壊錠という剤形を採用しておりますので、外出先などで胃の不調を感じた際にも、水なしで服用することが可能です。(用法:口中で崩壊させて服用するか、水またはお湯で服用すること。)
タケプロンsであれば、強力に胃酸を抑えるPPIを市販薬として使用することができますので、薬剤師の指示に従って、用法用量を守って正しくご使用下さい。
タケプロンsチェックシートはこちらタケプロンsの特徴
- 胃酸逆流などによる胸やけ、胃もたれ、胃の痛みに
- 医療用と同じ成分、ランソプラゾールを市販薬で初めて配合
- 1日1錠で、24時間効く
- 水なしでのめる口腔内崩壊錠
タケプロンsの成分
成分
1錠(1日服用量)中
| 成分 | 含量 |
|---|---|
| ランソプラゾール | 15㎎ |
添加物:乳糖水和物、セルロース、炭酸Mg、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、タルク、酸化チタン、D-マンニトール、メタクリル酸コポリマーLD、ラウリル硫酸Na、ポリソルベート80、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、クエン酸トリエチル、マクロゴール、ステアリン酸グリセリン、三二酸化鉄、クエン酸、クロスポビドン、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、ステアリン酸Mg、香料
タケプロンsの効能
胸やけ、もたれ、胃痛(本剤は胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬を含んでいます)
タケプロンsの用法・用量
用法・用量
次の量を、口中で崩壊させて服用するか、水またはお湯で服用すること。
| 年齢 | 1回量 | 1日 服用回数 |
|---|---|---|
| 15歳以上 | 1錠 | 1回 |
| 15歳未満 | 服用しないこと | |
・2週間を超えて続けて服用しないこと。
<用法・用量に関連する注意>
- (1)用法・用量を厳守すること。
- (2)1日1回同じ時間帯に服用すること。
- (3)症状が治まった場合は、服用を止めること。
- (4)本剤は口腔内で崩壊するが、口腔の粘膜から吸収されることはないため、唾液または水でのみこむこと。
- (5)錠剤の取り出し方
図のように錠剤の入っているPTPシートの凸部を指先で強く押して、裏面のアルミ箔を破り、取り出して服用すること(誤ってそのままのみこんだりすると食道粘膜に突き刺さる等思わぬ事故につながる)。

タケプロンsの使用上の注意
してはいけないこと
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなる)
- 1.次の人は服用しないこと
- (1)本剤または本剤の成分により、アレルギー症状を起こしたことがある人。
- (2)次の医薬品を服用している人。リルピビリン塩酸塩(HIV感染症治療薬)
- 2.本剤を服用している間は、次のいずれの医薬品も使用しないこと
- 他の胃腸薬、テオフィリンを含有する内服薬(鎮咳去痰薬、乗物酔い薬)、酸化マグネシウムを含有する内服薬(瀉下薬等)
- 3.授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること
- 4.他のプロトンポンプ阻害薬の使用期間も合わせて2週間を超えて続けて服用しないこと(重大な消化器疾患を見過ごすおそれがあるので、医師の診察を受けること。)
相談すること
- 1.次の人は服用前に医師または薬剤師に相談すること
- (1)医師の治療を受けている人。
- (2)妊婦または妊娠していると思われる人。
- (3)高齢者。
- (4)薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人。
- (5)次の症状のある人。原因不明の体重減少、持続性の胃痛・腹痛
- (6)次の診断を受けた人。肝臓病、胃・十二指腸潰瘍、フェニルケトン尿症
- 2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談すること
| 関係部位 | 症状 |
|---|---|
| 皮膚 | 発疹・発赤、かゆみ、水疱 |
| 消化器 | 腹部膨満感、便秘、下痢、血便、下血、吐き気・嘔吐、食欲不振、腹痛、味覚異常、口内炎、舌炎、口のかわき、飲み込みにくい・胸やけ・嘔吐・口腔内白斑(カンジダ感染症が疑われる) |
| 精神神経系 | 頭痛、うつ状態、不眠、めまい、眠気、ふるえ、けいれん、意識の低下 |
| その他 | 発熱、女性化乳房、むくみ、からだがだるい、舌・口唇のしびれ感、手足のしびれ、筋肉痛、脱毛、脱力感、関節痛、目のかすみ |
まれに下記の重篤な症状が起こることがある。その場合は直ちに医師の診療を受けること。
| 症状の名称 | 症状 |
|---|---|
(アナフィラキシー) | 服用後すぐに、皮膚のかゆみ、じんましん、声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、息苦しさ、動悸、意識の混濁等があらわれる。 |
| 皮膚粘膜眼症候群 (スティーブンス・ジョンソン症候群)、 中毒性表皮壊死融解症 | 高熱、目の充血、目やに、唇のただれ、のどの痛み、皮膚の広範囲の発疹・発赤等が持続したり、急激に悪化する。 |
| 肝機能障害 | 発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。 |
| 症状の名称 | 症状 |
|---|---|
| 間質性肺炎 | 階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空せき、発熱等がみられ、これらが急にあらわれたり、持続したりする。 |
| 腎障害 | 発熱、発疹、尿量の減少、全身のむくみ、全身のだるさ、関節痛(節々が痛む)、下痢等があらわれる。 |
| 血液障害 | 発熱、さむけ、のどの痛み、鼻血、歯ぐきからの出血、あおあざができる、出血が止まりにくい、頭が重い、動悸、息切れ、体がだるい、めまい、白目が黄色くなる、皮膚が黄色くなる、尿の色が濃くなる等があらわれる。 |
| 視力障害 | 文字や形がみえにくい、視野の異常等があらわれる。 |
| 低マグネシウム血症 | 吐き気、嘔吐、食欲不振、体がだるい、顔や手足の筋肉がぴくつく、一時的にボーっとする、意識の低下、手足の筋肉が硬直しガクガクとふるえる、しびれ、めまい、動悸、気を失う等があらわれる。 |
- 3.3日間服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、医師または薬剤師に相談すること
タケプロンsの保管および取扱い上の注意
- (1)直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に箱に入れて保管すること。
- (2)小児の手の届かない所に保管すること。
- (3)他の容器に入れ替えないこと(誤用の原因になったり品質が変わる)。
- (4)使用期限を過ぎた製品は服用しないこと。
- (5)箱の「開封年月日」記入欄に、内袋(アルミの袋)を開封した日付を記入すること。
- (6)一度内袋(アルミの袋)を開封した後は、品質保持の点から開封日より6ヵ月以内を目安になるべくすみやかに服用すること。
強力に胃酸を抑える市販の胃薬「タケプロンs」は
正しくご使用ください
胸やけ、胃もたれ、胃の痛みといった胃の不調には、「胃酸」が関わっているケースが少なくありません。
胃酸を抑える薬には、すでに出ている胃酸を中和する制酸薬、指令の入口をブロックするH2ブロッカー、そして胃酸分泌の最終の出口にはたらきかけるPPIがあり、それぞれ作用する段階が異なります。
だからこそ、それぞれの違いを理解したうえで、ご自身の症状に合ったものを選ぶことが大切です。
タケプロンsは、医療用と同じ成分であるランソプラゾールを市販薬で初めて配合し、胃酸が出る最終段階のプロトンポンプに直接はたらきかけることで、胃酸の分泌を抑える市販の胃薬(プロトンポンプ阻害薬:PPI)です。
胃酸の分泌を強力に抑えるだけではなく、1日1回1錠で24時間効き、水なしでのめる口腔内崩壊錠であるという点も、タケプロンsの大きな特徴です。
また、タケプロンsは、「胸やけ、もたれ、胃痛」という効能を取得していますので、胃酸が関係する複数の胃の不調に対して使用いただくことが可能です。
タケプロンsをはじめ、医薬品を使用する際には、必ず用法・用量を守って、正しくご使用いただきますようお願いいたします。